平成29年度第3回人権教育学級
（差別をなくす市民の集い）

日時：: 8月22日（火）13：30〜15：30
場所：: ビーコンプラザ　国際会議室
テーマ：: 「もう一度立ち止まって人権問題を考えてみよう」
〜部落差別解消推進法を中心に〜
講師：: 堀内　忠（ほりうち　ただし）さん
田川地区人権センター参与、公益社団法人福岡県人権研究所副理事長

堀内忠先生のご紹介と講演について

講師の堀内　忠さんは、中学校教諭として勤めながら、1965年より田川郡で識字運動を起こし、その後現在まで、同和教育運動、人権問題啓発活動に携わってこられました。差別の現状を直視し、差別の実態の中から、差別解消の方向を見出していきたいとの思いで実践をなさっています。　昨年、人権問題に関する法律「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」が施行されましたが、私たちの日常生活に浸透しているとはいえません。
これらの法律が生まれた背景とともに、私たちの日々の生活中で人権問題と向き合うヒントをお話しいただきます。
（人権問題啓発推進広報紙「差別をなくす運動月間」特集号　より）

講演概要

一　人権問題に関係する法律について

障害者差別解消法
ヘイトスピーチ解消法
部落差別解消推進法

二　人権問題や差別についてどう考えたらよいか

1　人権問題は難しい？

（1）「すべての人間は、幸せに生きたい」と願っている
- ・幸せとは
（2）人間が幸せに生きる権利を人権と考えています。
- ・幸せ・・・人間の尊厳
- ・生きる権利・・・生存権（福祉の視点）
（3）「差別」とは？
- ・差別をしないために同じようにする・・・これが正解かどうか
- ・いじめの構造を考えてみると・・・無視・排除や支配
- ・差別は本人の責任でない事柄を理由に・・・仲間外し（排除）や上から目線（支配）　
（4）まとめ

三　昨年施行の三つの法律

1 障害者差別解消法について

1）基本的事項が法律で定められた
- イ　福祉の視点から人権の視点へ
- ロ　医学的モデルから社会モデルへ
- ハ　障害者差別の定義
- ニ　合理的配慮について
- ホ　具体例として
- ヘ　人間としての尊厳の保障・・・・同じような生活ができるように。

2 ヘイトスピーチ解消法

1）在日外国人に対する差別発言・行為の解消に向けた取組の推進
- イ　在日韓国・朝鮮人の歴史学習
- ロ　言論の自由について・・・・自由の概念
- ハ　人の尊厳を傷つける自由はないことを法律で明確に

3 部落差別解消推進法

1）部落問題とは何か
2）部落問題をなくすための取組の歴史的経過
- イ　江戸時代の身分制度
- ロ　解放令
- ハ　全国水平社の結成
- ニ　水平社運動　
  - （戦前）
    ・個人糾弾闘争
    ・社会制度変革の闘い
  - （戦後）・・・新憲法
    ・差別行政反対闘争
    ・同和対策審議会答申
    ・特別措置法・・・環境改善事業
    ・特別措置法の失効後も絶たない差別事件
    ・部落差別解消推進法の制定（H28年12月成立・施行）