
男女の体力差や、これまでの歴史の中で築かれ引き継がれてきた男性優位の社会構造や考え方といった問題が、夫婦や恋人など親しい間柄にある男女にも働いて、さまざまな暴力を引き起こしていると考えられます。
決して、「一部の特別な人たち」ではありません。家庭の外では温和で人当たりが良く社会的信用も高い人が、家庭内では暴力をふるっていたということも少なくありません。DVは、年齢や学歴、職業、収入、社会的地位に関係なく、誰もが被害者や加害者になる可能性があります。
暴力を繰り返し受けると、心身ともに傷つき逃げる気力も体力も失ってしまいます。さらに、「逃げ出しても生活していけない」、「子どものために家庭を壊してはいけない」、「周囲にDVが知られるのは家庭の恥」などと考えてしまうこともあります。また、周囲から孤立しているように感じたり、暴力をふるわないときの相手の優しさへの執着なども考えられます。しかし、もっと大きな原因は、「どこまでも追いかけてやる」「逃げたら親や兄弟がどうなっても知らないぞ」といった脅しにより、報復への恐怖が植え付けられ、加害者にコントロールされてしまうことです。
DV加害者は、いつも暴力をふるうわけではなく、暴力をふるったあと一転して優しくなり、時には泣いて謝罪することもあります。この時期を「ハネムーン期」といい、被害者はパートナーが今度こそ変わってくれるのではないか、と期待してしまうのです。しかし、暴力には再発するという性質と、徐々にエスカレートする傾向があります。
子どものためを思って我慢し続けることで、逆に子どもに被害が及ぶことがあります。DVを目の当たりにするだけで大きなストレスとなり、情緒不安定、夜尿、無感情、うつ、不登校などの症状が多く見られます。また、暴力をふるわれている母親を守るために父親を傷つけることもあります